涙のサンルイ・・・(サンルイ:ブラジル)

Category: 謎3rd 南米編

2008.08.10(日)



 前回記事にサンルイの街について書いたのだが・・・



 結局、この街は・・・私にとっては悲劇とも喜劇ともつかない、そんな街だった・・・



 事の始まりはバヘリーニャスから到着した08.07日から始まる。


 長距離バスターミナルから市内へ、私はデオドロ広場へ行きたいのでターミナル併設のツーリストインフォメーションに教えてもらったバスを、30分以上まったのだが中々来ず、結局そこに行くのはターミナル前にさっきから散々通っていたバスという事を後で知ってまずここからケチが付き始める。


 そして市内に到着したのは1330時。


 到着したデオドロ広場とその前にある図書館


 旧市街に近いバスターミナルでは無くデオドロ広場に行きたかったのはサンルイには予め3泊すると決めていて、ちょっと高いけど良さそうなホテルに行くのにはこちらからが近かったからだ。

 ここにはフランスの香りに包まれてのんびりと骨休めをする。そう決めていたのだ・・・




 だが・・・


 そのホテルも部屋を見たらそれ程良くも無く・・・


 せっかく三泊だからと街中を歩き回って探しても条件にあうホテルが見つからず・・・


 それならば情報で知っていた「高いけど朝食がいい」というホテルに諦めて泊まろうとしたらそこはフル・・・!!


 さらに道中でキャリーパックの車輪を覆うゴムに亀裂がはしって割れ・・・


 これは夜接着剤で付けてみた所





 その後何とか探しまくって1泊30レアル(2100円)のホテルを3連泊を条件に25レアル(1750円)に値切ってもらい、そして最終日に荷物を預かってもらえるかも確認して泊まることにした。

 トイレ、シャワー、ファン、テレビ、朝食付で旧市街と新市街の境目にあるので立地も条件も悪くない。ホテル探しに2時間はかかってしまった・・・

 ここを見つけたのはせめてもの慰みだろう・・・




 これはそのホテルからの景色、旧市街と新市街の境目にある。




 初日からしてなんとなく暗雲立ち込めるスタートであった・・・





 翌日からの街の散策については前回記事に譲るとして・・・

 正直言ってあんな街並なら1泊でも十分だったがもう3泊と決めてしまっていたから仕方が無い。

 街は想像以上に小さく・・・フレンチの香りはゼロ・・・

 それでも日本語を強制インストールして打てるネット屋も探し当て、街をほっておいても何とかくつろげる状況にはなったのだが・・・



 問題は出発日、08.10にまた起こったのだ・・・




2008.08.10(日)


 この日は出発日だ。


 と言っても夜の2000時のバスなので時間がある。


 ホテルをチェックアウトぎりぎりの1200時まで粘り、そして出るときに荷物だけ預かってもらう様にする。

 泊まっているホテルのレセの人が初日にチェックインした時と変わっていて、荷物だけ預かってくれと言っても最初は「それなら30レアル」と言うような事を言ってきて「部屋じゃないんだ、荷物だけなんだ」と伝えるのには苦労はしたが・・・それでも私を横に2人くっつけたようなレセのお姉さんは最終的にはそこに居た別のおじさん(たぶん家族かな?)が私の荷物を居間に持っていって「これでいいだろう?」という風に言ってくれたので何とかはなった。

 出発日、これから時間を潰すのにはネットが一番だ。

 街はもう散策済み、そうなるとたまっていたHPの記事でも書いてアップしてから出発すれば・・・


 んっ・・・




 行きつけのネット屋が・・・




 クックローズ・・・・!!




 観光案内所が開いていたので聞いてみると、何でも今日はただの日曜日だけでなく、「父の日」もかぶっていて殆どの店もお休みだそうだ・・・



 人の居ない旧市街の広場・・・ちなみに新市街はもっといないらしい・・・



 そして行きつけだったネットカフェ、なんかのパクリっぽい看板が目印

 (注:ここは日本語読みが可、デュークはWindowsのOSを持っていて強制インストールをして打てるようにしていたが、一度リセットすると元に戻るのでIMEを持っている人でなければIMEは使えない)


 私は当初1800時頃に夕日でも見てそれから出発すれば十分間に合うと読んでいたが・・・


 1200から1700まで待つ内に、この日中30度を超し、湿度の高いサンルイでただ時間を潰す事に疲れきってしまい・・・

 ホテルに戻って荷物を取り、長距離バスターミナルへ向かう事にした。

 雲も多いのでたいした夕日も見れないだろう・・・・



 そしてホテルについてまず南京錠で留めてある鉄格子の玄関を開けてもらって荷物をと・・・


 なにやらレセのお姉さんが言ってくる・・・


 「30レアル・・・」


 と言ってきているのは理解したが何故だ??


 私は『ポルケ?(スペイン語の何故、通じているのでポルトガル語でも一緒だと思うが・・・どうだろう?)』と聞き返す・・・

 だが・・・意思の疎通の不十分さから・・・お互い理解は不十分なままだ・・・

 私はレセのある、そして荷物を置いてあるホテルの2階にまず行くことにした、彼女は玄関の鍵を持ったまま上に上がる。

 そして私は紙を出すように要求する。

 困ったときには”筆談”だ・・・


 紙に泊まった日を7,8,9,10と書いていく。

 彼女にチェックアウトは?と聞くと「メディオディア(正午)」との答えだ。

 数字を二つに分ける線を書き、その上に1200と記入する。

 7と8の間をペンで指し「1日」次も同様にして10日まで・・・きっちり三泊だ。

 彼女にも念を押し、聞いてみると「私が払ったのは3泊分」との答えだえだ・・・

 なら・・・今日の昼までは部屋を使えるのが当然だが・・・

 彼女は何故か私の書いた10を消し、「今日の分、30レアルを払ってよ!」と・・・



 「・・・」




 「・・・・・・」




 「りっ理解できん・・・・」




 いやまて夜の12時にチェックアウトなら・・・確かに今日の分は払わなければいけないがまずそんなことはありえない。昼の12時にチェックアウトが当然だ。



 ふと私は自分の荷物が気になりだす。そうだっ!まずは荷物だ。

 彼女に少し待つようにいい、まず自分の荷物を回収する。そしてそのまま行くことも考えたが・・・

 それはよろしくない。気に入らないのは彼女が私がもう1泊払わなければいけないと考えている事だ。「料金を踏み倒す人間」と思われるのも嫌だ。

 私はチェックインして料金を払ったときには必ずレシートを貰うようにしている。

 これを出して・・・んっ?いつもいれてる財布にはない・・・

 なら・・・でかいカバンの中に今迄の領収証と一緒に・・・


 なっない・・・・



 必要なときに限って必要な物は無い・・・


 こんな事は良くある事だが・・・


 私はレシートを出して説得する事を諦め、また彼女と話に入る。


 何度か話していると彼女はメディオディアと良く言ってきたので次に思い当たる節があるとしたら昼までに私がチェックアウトしてないと考えている事だ。なら私はぎりぎりといっても用心して1150時にチェックアウトをしたのでそれもない。彼女に「昼までには出ていて荷物だけ置いているでしょう」と抗弁する。

 だが・・・彼女はどうしても私が30レアル支払わなければならないと・・・平行線だ・・・


 『こうなったら・・・ここは大人になって・・・たかが30レアル(2100円)だ・・・俺が払えば・・・』



 ・・・って




 『なるかぁ~・・・!!ボケぇ~・・・!!何故払わんとならんのじゃぁ~・・・!!』


 と言う口調ではないがこちらも硬く抗弁する。踏み倒すのは嫌いだが・・・いわれのないお金を払うほど大人にはなれない・・・


 抗弁が続いている最中に彼女が一言・・・



 「朝食も食べたでしょ・・・」



 「・・・・」




 「・・・・・・」




 『あぁ・・・食べたさ・・・食べるに決まってるさ・・・3泊・・・もちろんチェックインした初日の7日は食べていない・・・8,9,10日・・・3泊して朝食3食・・・食べないとおかしいでしょ・・・・』

 そして気づいた事がある。1200時過ぎまで私が残ったと考えているわけでなく、「私が丸々1泊分払っていない」と彼女は考えているのだ・・・



 だが・・・どう計算してもこちらは3泊分支払い、3泊しただけだ・・・



 こんなことで30分近くもう言い争っている・・・



 たまたま朝食を取った時に一緒だったカップルが帰ってくる。

 私は「英語かスペイン語を話せる?」と聞くと「ノー」と・・・

 だが、レセの彼女が彼らに話している事を理解したととった私も何とかスペイン語で説明すると彼らは私の言い分も理解したようだ・・・そして「仕方ないね~あとはそちらで何とか話してよ~」みたいなジェスチャーをして部屋に帰ったとき・・・

 私はもう決意していた・・・


 彼女はなおも私に「30レアルを払え」と言ってくるが・・・


 もう十分だ・・・疲れたし馬鹿馬鹿しい・・・


 私は吐き捨てるように彼女に「そちらがどう考えようと3泊分支払って3泊しただけだ、俺は払わない」と言い荷物を背負い、階段を下りる・・・

 そして鉄格子を開け・・・外に出た・・・


 振り向くと彼女がレセのデスクの前で下を向いて俯いている・・・


 どう考えても彼女の中では「私は1泊分どうどうと踏み倒して逃げた悪者」と映っているのだろう・・・


 そう考えると・・・彼女のことが哀れに思い・・・私が大人に・・・


 って・・・・





 『なれるかっ!そんなん!!ぼけぇぇぇぇぇぇぇ~・・・・、何故ちょっと値切ったけど宿泊日数分支払ってその日に出てるのに悪者扱いされんとならんのじゃぁぁぁぁぁぁ~・・・!!』




 というのが素直な気持ちだ・・・

 彼女に言いたいことがあるとしたら・・・

 もし私があってようが間違えてようがお金を支払わせたかったら・・・


 『鍵はきちんとあけたら閉めよう』


 ということと・・・


 『頼むから計算を覚えてくれ・・・足し算だけでもいいから・・・』


 という2つだろう・・・


 これがそのホテル。真ん中らへんの黄色いの・・・




 いずれにしてもこれじゃあ単なる悪者だ、何一つ悪いことしていないのに・・・


 ホテルも・・・設備も朝食も安宿の部類では凄く良く、サンルイで良い宿を見つけたと喜んでいたのに最後にこんなに胸クソの悪くなる思いをさせられるなんて・・・


 あっ!あんまりだ~・・・!!




 そして市バスにのり長距離バスターミナルに到着すると・・・


 接着剤で補修してさらにガムテープを巻いたキャリーパックの車輪にまた亀裂が・・・


 むむっ!付け焼刃の修理ではやはりダメか・・・




 そしてネットカフェが開いてると喜んで中に入ったら日本語読み書き不可・・・意味なしで・・・


 乗り込んだベレン行のバス・・・


 私の座席の足置きが取れてなくなっていた・・・・


 ベレン行バスと座席の足置き(隣にはあるのに・・・)




 私はクーラーが効きすぎて、毛布をかけても寒さで震えるこのバスで・・・




 サンルイでの日々をこう振り返る・・・



 「フランスを期待して行ったのにその実情は散々涙に暮れる毎日・・・」





 「サンルイだけに・・・」






 「散涙だった・・・」






 と・・・・






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